照柿 下 著者名:高村薫(著)
出版社:講談社
出版年:2006.08
ISBN :406275259X
ようやく読了。仕事が忙しかったとはいえ、ずいぶんと読み終えるのに時間がかかってしまった。序盤はなかなか、読むのが進まなかったが、中盤より、ぐいぐいと高村ワールドに引き込まれた。
合田雄一郎刑事はありふれたホステス殺しの専従捜査員。
その捜査の途中で、美保子と出会う。その美保子に雄一郎はひとめぼれ。
雄一郎の苦悩が始まる。
ホステス殺しも目星をつけた人物とは違う人が捜査本部の意向によって犯人となる気配。
時間がない中で、真犯人の証拠となるものを探し続ける。
違法な捜査(賭博場に出入り)をして。
目星をつけた人物が大阪にいるとの情報を得て、雄一郎の生まれ故郷である大阪に行くことに。
その途中、雄一郎は幼なじみの野田と偶然再会する。その隣には、ひとめぼれした美保子が。
野田の愛人だったのである。
雄一郎と野田と美保子。三者三様の人生模様が描き出される。
下巻の中盤あたり。特に野田が犯罪を犯してから最後までは息をつかせない展開。
雄一郎自身も同僚から参考人として調べられ、自分の心・思いと向き合うことに。
さわやかな読了感は得られないが、ふとした掛け違いから生じるありふれたわたしたちの生活とリンクし、そして、考えさせられる作品。
読み終わったあと、しばらくの間、自分の人生の危うさについて考えさせられた。読み応えのある一冊だった。


