2006年12月12日

照柿(下)(A)


照柿 下
著者名:高村薫(著)
出版社:講談社
出版年:2006.08
ISBN :406275259X



ようやく読了。仕事が忙しかったとはいえ、ずいぶんと読み終えるのに時間がかかってしまった。序盤はなかなか、読むのが進まなかったが、中盤より、ぐいぐいと高村ワールドに引き込まれた。

合田雄一郎刑事はありふれたホステス殺しの専従捜査員。
その捜査の途中で、美保子と出会う。その美保子に雄一郎はひとめぼれ。
雄一郎の苦悩が始まる。

ホステス殺しも目星をつけた人物とは違う人が捜査本部の意向によって犯人となる気配。
時間がない中で、真犯人の証拠となるものを探し続ける。

違法な捜査(賭博場に出入り)をして。


目星をつけた人物が大阪にいるとの情報を得て、雄一郎の生まれ故郷である大阪に行くことに。

その途中、雄一郎は幼なじみの野田と偶然再会する。その隣には、ひとめぼれした美保子が。
野田の愛人だったのである。

雄一郎と野田と美保子。三者三様の人生模様が描き出される。

下巻の中盤あたり。特に野田が犯罪を犯してから最後までは息をつかせない展開。

雄一郎自身も同僚から参考人として調べられ、自分の心・思いと向き合うことに。

さわやかな読了感は得られないが、ふとした掛け違いから生じるありふれたわたしたちの生活とリンクし、そして、考えさせられる作品。

読み終わったあと、しばらくの間、自分の人生の危うさについて考えさせられた。読み応えのある一冊だった。
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2006年12月08日

邪宗(B+)


邪宗
著者名:佐伯泰英(著)
出版社:講談社
出版年:2006.11
ISBN :4062755564



交代寄合伊那衆異聞シリーズの第4弾。
照柿の下巻を読まずに、佐伯氏の最新本を読んでしまった・・・。

長崎海軍伝習所の剣術教授方についた藤之助。
長崎の地で異文化ただよう様々な事件に遭遇する。

前作からの遺恨がつづき、闇討ちあい、そして、本書のタイトルでもあるキリシンタンとの関わりが生まれたり。

藤之助の時代背景は幕末。
幕末は激動の時代である。藤之助の同僚には、勝海舟がいたり、藤之助の道場には榎本武揚が通っていたり、西郷隆盛がいたり。今後の展開が気になる。

今回は藤之助は玲奈よりリボルバーガンをもらう。
剣術と拳銃の「もの」の違いも面白い。
新しいタイプの時代小説ともいえるのではないか。

しかし、剣術のみの方が個人的には好きなのだが・・・。
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